AI検索で自社が引用されているか、数字で追う時代になった

高橋 沙織
高橋 沙織 20代・ デジタルマーケター
StudioがPabloという AI検索最適化エージェントを日本展開した、というニュースを読んで、正直「来たな」と思った。

GA4やSearch Consoleと連携して、Google AI OverviewsやChatGPT、Geminiの回答に自社ブランドが表示されているかをプロンプト別・モデル別に可視化する。引用元URLも追えるらしい。マーケ視点で言うと、これはオーガニック流入の計測とまったく同じ発想だ。

SEOの「次」がもう動いている



自分の仕事はSNS広告とコンテンツが中心で、SEOは隣の席の話、くらいの感覚でいた。でも最近、クライアントのランディングページに来る流入元を見ていると、「referral」の中身がじわじわ変わっている。AI Overviewsからと思われるトラフィックが増えている感覚が、数字にうっすら出ている。

GA4でそれをきれいに切り出せているかというと、正直まだ難しい。参照元が「(direct)」に混じることもあるし、AIチャットからの流入はそもそも計測の死角になりやすい。Pabloが「施策後の数値変化もチェック」と言っているのは、そこをカバーする設計なのだと読んだ。

広告で言えば、インプレッションは取れているのに引用 (= クリック・遷移) につながっているかが見えない状態は、ブラックボックスキャンペーンと同じだ。CPAもROASも出せない。それはやっていないのと変わらない、というのが私の立場だ。

「AI検索に引用される」を指標にするとどうなるか



競合との差分可視化、というのも気になる機能だった。Meta広告では当たり前にやることで、競合の推定インプレッションシェアや入札状況を見ながら予算配分を調整する。それをAI検索引用率の領域でやる、ということだと理解した。

コンテンツSEOに関わるスタッフと先週話していたとき、「AI Overviewsに引用されるための構造って、従来のSEOライティングと全然違う」と言っていた。具体的には、質問文への直答形式・一次情報の明示・引用しやすい短い事実文、あたりが効くらしい。Pabloは改善施策の立案から記事生成まで一気通貫と書いていたから、そこを自動化するということだろう。

ただ、私が気にするのはここから先だ。記事を生成して、AI検索での表示率が上がったとして、それが最終的なCVRに効いているかをどう紐付けるか。Pabloが GA4連携で「精度の高い提案や効果測定を自動化する」としているのは、まさにその部分を狙っている。でも実際にCVRまで通した計測ができるかは、自分で触ってみないと判断できない。

今担当している案件は、クライアントのオウンドメディアの広告連動施策で、コンテンツとMeta広告を組み合わせた設計をしている。月間のセッション数はだいたい 3万前後、コンテンツ経由のCVRは広告経由より低いが、CPAは広告単体より 20〜30% 改善できている実績がある。この流れに AI検索流入の計測をどう足すか、が直近の宿題になった。

使う前に確認したいこと



Pabloは米国での先行提供を経て日本展開した、と書いてある。英語圏で積み上げたデータが日本語のAI検索回答にそのまま転用できるかは未知数だ。日本語プロンプトに対する引用傾向と英語では違うはずで、そこのキャリブレーションがどこまで済んでいるかを確認したい。

あと料金体系が記事に書かれていなかった。SaaS系のこの手のツールは、機能が良くても月額が高いと社内稟議でつまずく。クライアントに提案するには費用対効果の試算が先に必要で、そのためにはまず自分で触ってみるしかない。

AI検索での自社引用率を指標として持つ会社と持たない会社では、1〜2年後に差がつく気がしている。自分のクライアントを後者にはしたくない。

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